社長ブログ
公園が好きな家族のための“帰宅後泥んこ対策”:玄関計画の工夫
子どもが外で思いっきり遊ぶのは親にとって嬉しいことですが、帰宅後の「泥んこ」と「汚れ」の処理は、日々の大きな家事負担になります。
特に、泥だらけの靴や服を家の中に持ち込むと、リビングや廊下の掃除の手間が増えてしまいます。
今回は、玄関周りの間取りと設備を工夫することで、服も靴もサッときれいにする「帰宅後クリーンアップ動線」を作る具体的な設計アイデアを解説します。
🚶♀️ 泥と汚れを玄関で食い止める「クリーンアップ動線」
帰宅後のルーティンを「玄関で汚れた服を脱ぎ、手を洗い、家に入る」という流れに統一することで、生活空間への汚れの侵入を劇的に減らすことができます。
玄関から直行!「泥んこ対策動線」の考え方

泥んこ対策の基本は、外で汚れた状態から室内に入るまでの「脱ぐ」「洗う」「拭く」のステップをワンストップで行える動線を確保することです。
理想は、玄関(または勝手口)から土間スペースに入り、そこで汚れた服を脱いでランドリールームや脱衣室に直行、同時に手洗い場で手を洗うという流れです。
動線に沿って、濡れ物用のハンガーパイプや汚れた服の一時保管場所を配置しましょう。
汚れを広げない「土間スペース」のサイズと素材
玄関のたたきを広げた土間スペースは、泥んこ対策の要となります。子どもが2人いるご家庭の場合、大人と子どもが同時に靴を脱ぎ、汚れた衣服を脱ぎ着する作業スペースとして、最低でも1.5帖(約2.5㎡)程度の広さを確保しましょう。
床材は、泥や砂を簡単に洗い流せるタイルやモルタル、または土間コンクリートがおすすめです。
要点:帰宅したら土間スペースに直行し、汚れを「脱ぐ→洗う→家に入る」の動線を最短距離でつなぎましょう。
💧 帰宅後すぐに使える「玄関近くの手洗い」計画
玄関近くに手洗い場を設けることは、泥汚れ対策だけでなく、感染症対策としても非常に有効です。
リビングに入る前に手洗い・うがいを済ませられる環境を計画しましょう。
外部・内部に設ける「セカンド洗面台」の機能

土間や玄関ホールに設置するセカンド洗面台は、泥を洗いやすいよう、洗面ボウル(シンク)の深さが重要になります。顔を洗うことを想定した浅いタイプではなく、靴や外遊び道具の一時的な洗浄も考慮した深型を選ぶと便利です。また、泥の飛び散りを防ぐため、水栓は壁出しタイプを選んだり、周囲の壁に水跳ねに強い素材(タイルなど)を使う工夫も有効です。
勝手口とランドリー動線を繋ぐ役割

公園などで泥だらけになった衣服は、まず軽く予洗いしてから洗濯機に入れたいものです。
この作業をメインの洗面所で行うと、洗面所が泥で汚れてしまいます。
玄関近くの手洗い場を洗濯機がある脱衣室やランドリースペースに近い位置に設けることで、予洗いの動線がスムーズになり、家事負担が大幅に軽減されます。
要点:手洗い場は深型シンクを選び、泥の飛び散り対策を行いましょう。洗濯動線への近さも重要です。
💡 服も靴もサッときれいにする収納と機能
泥んこ対策は、道具を効率的に片付け、乾燥させる機能まで含めて考える必要があります。玄関周りに必要なのは、通常の靴箱とは異なる特殊な収納機能です。
汚れた服を即投入!「勝手口直結」の洗濯動線
泥だらけの服は、玄関で脱いだらすぐに洗濯機へ直行させたいものです。
勝手口や泥んこ対策用の土間スペースに、汚れた服専用のフックや、蓋付きのランドリーボックスを設置しましょう。
また、土間収納の壁面にパイプを設け、濡れた上着やレインコートを一時的に吊るして乾燥させるスペースを確保することも、匂いやカビの発生を防ぐ上で重要です。
靴や外遊び道具を乾燥させる工夫

泥だらけの靴やボール、スコップなどの外遊び道具は、土間スペースで保管・乾燥させるのが鉄則です。
- 靴収納の工夫: 泥が付いたまま収納できるよう、可動棚の棚板を水に強い金網や樹脂製のものにする。下部に泥受け皿を設置し、掃除をしやすくする。
- 道具の収納: 壁面に有孔ボード(ペグボード)を設置し、フックを使って遊び道具を吊るして見せる収納にする。水洗い後、そのまま乾燥させるスペースとして活用できる。
要点:汚れた服は土間ですぐに脱げるようにし、靴や道具は水に強く乾燥しやすいオープン収納を計画しましょう。
🙅♀️ よくある失敗・誤解と回避策
泥んこ対策のための動線を計画したにもかかわらず、機能しない例もあります。
以下の失敗例と回避策を知り、計画の精度を高めましょう。
- 失敗例1:手洗い場のシンクが浅すぎた
- 一般的な洗面化粧台のシンクは浅く、泥靴を洗ったり、水で汚れを揉み洗いすると、水跳ねがひどくなります。回避策として、ユーティリティシンクやスロップシンクと呼ばれる深型のシンクを土間スペースに設置し、泥や砂を気にせず扱えるようにしましょう。
- 失敗例2:土間収納に換気機能がなかった
- 濡れた服や靴、湿った泥をそのままにしておくと、カビや悪臭の原因になります。回避策として、土間スペースに窓を設けて通風を確保するか、専用の換気扇を設置し、常時湿気を排出できる仕組みを作りましょう。
- 失敗例3:外水道(立水栓)を玄関から遠い場所に設置した
- 靴の泥を外で落としてから玄関に入りたいのに、水栓が家の裏側にあると、結局泥を運ぶことになります。回避策として、玄関ポーチのすぐ脇や、勝手口の近くなど、帰宅動線の最初に水を使える位置に立水栓を設置しましょう。
要点:泥や水を使う作業は深型シンクで行い、換気設備を必ず設けて湿気と匂いをコントロールしましょう。
✅ 帰宅後の泥んこ対策設計チェックリスト
公園好きの家族が快適に暮らすための「泥んこ対策」に、漏れがないか以下の項目で確認してみましょう。
▢ 玄関からリビングに入る前に、必ず経由する土間スペース(1.5帖以上)を確保していますか?
▢ 土間スペースには、靴や服の泥を洗える深型のシンクやスロップシンクを設置する予定ですか?
▢ 汚れた服を一時的に吊るせるハンガーパイプやフックを土間スペースに設けていますか?
▢ 玄関ポーチや勝手口の近くなど、帰宅動線の最初に水を使える立水栓を計画していますか?
▢ 泥や砂が溜まっても掃除しやすいよう、土間床材はタイルやモルタルを選んでいますか?
▢ 濡れた物を乾燥させるための換気扇や通風窓を土間スペースに設けていますか?
▢ 土間収納の靴棚は、泥や砂が落ちても掃除しやすいオープンな構造になっていますか?
要点:帰宅後の「脱ぐ」「洗う」「片付ける」という一連の動作が、スムーズに行えるかシミュレーションしてみましょう。
❓ よくある質問
- Q. 泥んこ対策のための土間スペースはどれくらいの広さが必要ですか?
- A. 子どもが2人いるご家庭の場合、最低でも1.5帖(約2.5㎡)程度の土間スペースを確保できると安心です。
- これは、大人と子どもが同時に靴を脱ぎ、汚れた衣服を脱ぎ着する作業スペースを確保し、
- 靴や外遊び道具をまとめて収納するための目安です。
- Q. 玄関近くの手洗い場を設けるメリットは何ですか?
- A. 最大のメリットは、リビングやキッチンに入る前にウイルスや雑菌、花粉、泥汚れを食い止められることです。
- また、子どもに「帰宅後すぐに手を洗う」習慣を無理なくつけさせることができます。洗面台は、泥を洗いやすい深めのシンクを選ぶと便利です。
- Q. 勝手口はどこに設けるのが理想的ですか?
- A. 泥んこ対策を兼ねる場合、勝手口は土間スペースまたは脱衣室・ランドリールームに近い位置に設けるのが理想的です。
- 特に玄関の近くに配置し、そこから手洗い場、洗濯機へと最短距離で移動できる動線(クリーンアップ動線)を意識しましょう。
子どもが外遊びから持ち帰る泥や砂は、日々の暮らしの悩みの種ですが、適切な動線と設備を玄関周りに計画することで、家事負担は大幅に軽減できます。
玄関近くの手洗い場や、広めの土間スペース、そこから直結するランドリー動線といった「クリーンアップ動線」を意識して、ストレスフリーな家づくりを実現しましょう。
この記事が、公園好きのご家族が快適に暮らすためのヒントとなれば幸いです。
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