社長ブログ
災害は“怖い”だけじゃない!家族で楽しく学ぶ「おうち防災シミュレーション」
地震や火事といった災害は、大人にとっても不安なもの。
しかし、子どもにとっての災害は、単なる「怖いこと」で終わらせてはいけません。
大切なのは、「もしもの時に、自分の命と家族を守るためのルールを覚える」ことです。
そのためには、深刻になりすぎるのではなく、「ごっこ遊び」や「ゲーム」の要素を取り入れたシミュレーションが有効です。
この記事では、新しい住まいを舞台に、子どもと一緒に楽しく防災の知識と行動力を育む具体的なシミュレーション方法を解説します。
「ごっこ遊び」で命を守る行動を体に覚えさせる
災害時の行動は、咄嗟の判断が必要です。頭で理解するだけでなく、
体が反射的に動くようにするためには、何度も繰り返しの練習が欠かせません。
この練習を、子どもが喜んで参加できる「ごっこ遊び」に変えてみましょう。
1. 「地震ごっこ」:頭を守るダック&カバーの練習

地震が発生した時、最も重要な行動は「頭を守ること」です。
これを「ダック&カバー(伏せて、覆って、しがみつく)」として練習します。
- 机の下にもぐる練習: 「地震だ!」の合図で、すぐに近くの丈夫な机の下にもぐり、脚をしっかり掴む練習をします。机がない場合は、クッションなどで頭を覆う練習をします。
- 安全ゾーンへ移動: 避難訓練のように静かに歩くのではなく、「ゴロゴロ」「カタカタ」などの効果音をつけながら、揺れが収まるまで安全ゾーンで待機する練習をします。
2. 「火事ごっこ」:煙から身を守り、出口を探す練習

火災の際に最も危険なのは、熱や炎よりも「煙」です。
煙は上に広がるため、姿勢を低くして移動する練習をします。
- 鼻と口を覆う練習: 「火事だ!」の合図で、ハンカチやタオルの代わりに、ぬいぐるみを抱きしめて鼻と口を覆う練習をします。「煙から守るポーズ」として定着させましょう。
- 低い姿勢で進む: 煙を避けるため、「ハイハイ競争」のように低い姿勢で移動する遊びを取り入れます。暗い部屋で懐中電灯を持って出口を探す「脱出ゲーム」にすると、さらに楽しく練習できます。
家族の安心を育む「おうちの避難マップ」づくり
訓練の次のステップは、建物の構造や環境に合わせて、家族独自の防災ルールを「見える化」することです。
子どもと一緒に家の間取り図を使って地図を描くことで、理解度が深まります。
おうちの中の安全ゾーンを地図に描く
- グリーン(安全ゾーン):
- 背の高い家具が固定されていて倒れてこない場所、または頑丈な柱のそば、揺れが収まるまで留まる場所。
- レッド(危険ゾーン):
- 窓ガラスの近く、食器棚・本棚などの転倒リスクがある家具のそば。ここは「近づいちゃダメゾーン」として目立つように色を塗ります。
- イエロー(避難経路):
- 玄関や勝手口までのルート。物が散らかって塞がれないように、日頃から整理整頓を心がけるきっかけにもなります。
家族で決める「集合場所」とルール
災害時に家族がバラバラになったとき、どこで再会するかを決めておきます。場所は2種類設定しましょう。
- 【レベル1】おうちの中の集合場所: 地震で揺れが収まった直後など、家屋内で家族がお互いの安否を確認する場所。(例:リビングの扉の近く、廊下の広い場所)
- 【レベル2】最終集合場所: 建物から避難した後、家族全員が必ず集まる安全な場所。(例:自宅から一番近い公園のベンチ、大きな木の下など目印になるもの)
「守るための練習だよ」子どもを不安にさせない声かけのコツ
🗣️ ポジティブ声かけの具体例
- NG:「早く逃げないと危ないよ!」
OK:「よし、ヒーローミッションスタート!家族を守るポーズだよ!」 - NG:「地震で棚が倒れるからダメ!」
OK:「この棚は重くて力持ちなんだ。もし揺れても、私たちは机の下でパワーチャージしようね!」 - NG:「もし火事になったら…」
OK:「これは、私たち家族の命を守るための、とっても大事な秘密の練習だよ!」
ポイントは、「練習=守るための行動」と直結させることです。
子どもが怖がったり泣き出したりしたときは、無理に続けず
「もうおしまい!上手にできたから偉いね」とすぐに褒めて終了し、次の機会を待つようにしましょう。
安全な家と家族の行動力を育むためのチェックリスト
日々の暮らしの中で、防災シミュレーションを継続していくためのチェックリストです。
安全な家づくりと、それを活かす行動力を両立させましょう。
▢ 「地震ごっこ」「火事ごっこ」を、遊びの要素を取り入れて月に1回は実施していますか?
▢ 「おうちの避難マップ」を作成し、安全ゾーンと危険ゾーンを家族全員で確認しましたか?
▢ 万が一バラバラになっても集まる、家の中と外の2種類の集合場所を決定しましたか?
▢ 背の高い家具や家電は、全て転倒防止金具で壁にしっかりと固定されていますか?
▢ 避難経路(特に玄関までの道)に、物を置かずスムーズに移動できるようにしていますか?
▢ 防災訓練の際、「守るための練習だよ」といったポジティブな声かけを意識していますか?
まとめ

災害時の備えは、高価な設備投資だけでなく、家族の「行動力」を育むことが最も重要です。
新しいお家で「地震ごっこ」「火事ごっこ」を繰り返すことで、子どもは災害を必要以上に怖がることなく、
「自分は、自分の命を守るための方法を知っている」という自信を持つことができます。
家というハード(耐震性や設備)と、家族の行動力というソフトを両輪で育て、安心して暮らせる未来を築きましょう。
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