社長ブログ

【コミコミ価格の落とし穴】見積もりで追加費用を防ぐ!総費用3項目とチェックポイント

【コミコミ価格の落とし穴】見積もりで追加費用を防ぐ!総費用3項目とチェックポイント

ハウスメーカーの広告などでよく目にする「コミコミ価格」という言葉。

 

一見するとお得に見えますが、実はその定義は会社によってバラバラで、「どこまでが含まれているか」を見極めないと、契約後に想定外の追加費用が発生し、予算オーバーになってしまうリスクがあります。

 

この記事では、家づくりの総費用を正しく把握するため、見積書の構造と、比較検討の際の具体的なチェックポイントを解説します。

 

 

💰 コミコミ価格の落とし穴:「どこまで含まれるか」の定義

 

家づくりにかかる費用は、大きく「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」の3つに分けられます。一般的に「コミコミ価格」と言う場合、このうちどこまでを含めているかが重要になります。

 

 

 

要注意!「本体工事費のみ」のコミコミ価格

 

最も多いのが、建物本体(基礎、構造、屋根、壁、内装など)を建てる費用のみを指して「コミコミ価格」と称するケースです。

 

この場合、新居での生活を始めるために絶対に必要な外構費や地盤改良費、各種申請費用が含まれていません。

 

入居するためには、最低でも本体工事費以外に総費用の20%〜30%程度の付帯工事費や諸費用が必要になると言われています。

 

提示された「コミコミ価格」が、この3つの費用のうちどこまでカバーしているのかを、まずは営業担当者に明確に確認しましょう。

 

要点:多くの「コミコミ価格」は、付帯工事や諸費用を含んでいません。最低でも総費用の20%は別途必要になると想定しておきましょう。

 

🏠 見積書を構成する3つの柱:費用の違いを理解する

 

家づくりの費用を構成する3つの要素を、それぞれの具体的な内容と共に確認しましょう。

 

費用項目:本体工事費

定義:建物そのものを完成させるための工事費用

具体的な内容(例):基礎工事、構造躯体、屋根・外壁、断熱材、内装(壁/床)、キッチン・バス・トイレなどの設備本体、給排水工事

 

 

費用項目:付帯工事費

定義:本体工事以外で、家を建てるために必須となる周辺工事費用

具体的な内容(例):旧家屋の解体費用、地盤改良工事費、外構工事費(駐車場/塀)、電気・ガス・水道の引き込み工事費、仮設工事費

 

 

費用項目:諸費用

定義:工事費とは別に、手続き上必ず必要となる費用

具体的な内容(例):住宅ローン手数料、登記費用、不動産取得税、火災・地震保険料、設計・監理費用、各種申請手数料

 

 

 

⚠️ 付帯工事と諸費用:特に注意すべき「別枠」の項目

 

特に予算オーバーの原因になりやすい、付帯工事と諸費用の中から、見落としがちな重要項目を解説します。

 

 

1. 付帯工事の落とし穴:地盤改良費と水道引き込み

 

特に注意したいのが地盤改良費です。これは地盤調査の結果次第で数十万〜数百万円かかる可能性があり、見積もり段階では「未定」または「別途」とされていることがほとんどです。

 

契約前に、万が一改良が必要になった場合の概算費用を確認しておきましょう。

 

また、上下水道の引き込み工事は、前面道路の状況によって費用が大きく変動します。

 

 

 

2. 諸費用の落とし穴:住宅ローン関連費用

 

諸費用のうち、金額が大きくなりがちなのが住宅ローン関連です。

 

印紙税、保証料、融資手数料など、選ぶ金融機関やローンの組み方によって総額が大きく変わります。

 

ハウスメーカーによっては、これらを全く含めずに見積もりを提出する場合があるため、住宅コンサルタントや信頼できる住宅会社に相談しながら、現実的な総額を把握することが重要です。

 

要点:地盤改良費とローン関連費用は特に変動が大きく、契約後の追加請求につながりやすい項目です。必ず概算額を確認しましょう。

 

 

 

📊 失敗しないための見積比較の3つのポイント

 

複数の会社から見積もりを取った際、「A社の方がB社より安かった」という単純な比較だけでは危険です。

 

必ず以下の3つの視点で、見積書の内容を掘り下げて確認しましょう。

 

ポイント1:数量(面積・長さ)が合っているか

 

最も基本的なことですが、会社によって延床面積や施工床面積の定義が異なる場合があります。

 

また、外壁や屋根、内壁などの「数量」が、各社で同じ設計図面に基づいているかを確認しましょう。数量が違えば、価格も当然大きく異なります。

 

 

ポイント2:仕様(グレード)が統一されているか

 

キッチン、バス、トイレ、窓サッシなどの設備機器について、「どのメーカーのどのグレードのものが採用されているか」を明確に比較しましょう。

 

A社が標準的な設備で見積もっているのに対し、B社がハイスペックな設備で見積もっている場合、単純な総額の比較は意味を成しません。標準仕様から変更する場合の「差額」も確認しておくと安心です。

 

 

ポイント3:共通費・仮設費の内訳が適切か

 

本体工事の中に一括で計上されがちなのが、足場代や現場管理費などの「共通費」「仮設費」です。これらの内訳が曖昧だと、後から追加費用を請求されるリスクがあります。

 

特に、「現場諸経費」など曖昧な名称の項目については、具体的な用途(交通費、事務手数料、現場清掃費など)を確認しましょう。

 

要点:比較は「総額」ではなく「同じ仕様(グレード)で、同じ数量(面積)」に基づいているか、中身を確認することが重要です。

 

❓ よくある質問(FAQ)

 

Q. 「コミコミ価格」の定義は、会社によって違いますか?

 

A. はい、明確な定義はありません。ある会社では本体工事に一部の付帯工事を含める場合もありますが、別の会社では諸費用まで全て含める場合もあります。必ず「土地代と税金を除き、入居までに必要な費用の総額ですか?」と確認しましょう。

 

 

Q. 地盤改良費は、本体工事に含まれることが多いですか?

 

A. 地盤改良費は、ほとんどの場合で「付帯工事」または「別途工事」として扱われます。なぜなら、地盤調査の結果が出るまで費用が確定しないためです。契約時に概算で計上されているか、万が一必要になった場合の目安費用を確認しておきましょう。

 

 

Q. 見積もりを比較する際、最も注意すべき項目は何ですか?

 

A. 「数量(面積や長さ)」と「単価」です。特に、キッチンやバスなどの設備グレードが統一されているか、あるいは、坪単価に含まれる床面積の定義が各社で同じかを確認しないと、適正な比較はできません。

 

 

Q. 火災保険料や固定資産税などは、どの費用に該当しますか?

 

A. これらは家づくりにかかる費用ではありますが、ハウスメーカーに支払うものではなく、金融機関や役所に支払うため、一般的に「諸費用」に含まれます。特に火災保険料は長期契約になるため、金額が大きくなりがちです。

 

本稿で示した費用の区分や相場は一般的な目安です。実際の費用は建築地の条件、地盤、設計内容、選択する業者によって大きく変動するため、必ず最新の見積書をご確認ください。

 

 

💡 まとめ:金額ではなく「内容と範囲」を比較しよう

 

「コミコミ価格」は魅力的な響きですが、その実態は会社によって大きく異なります。

 

家づくりの総費用は、本体工事・付帯工事・諸費用の3つの要素で構成されており、この3つを全て含めた金額が、実際に必要となる予算だと認識しておくことが、予算オーバーを防ぐ最大のポイントです。

 

見積書を受け取ったら、まずは「何が含まれていないか」を確認し、次に「同じ間取り・仕様で比較できているか」を掘り下げて検証しましょう。

 

金額の安さだけでなく、記載されている内容の透明性が高い業者を選ぶことが、安心して家づくりを進めるための第一歩となります。

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