社長ブログ
安い土地が高くつく?坪単価ではわからない付帯工事費4つの落とし穴
土地のチラシや広告を見て「この土地は坪単価が安いからお得だ!」と判断するのは危険です。
土地の価格は、マイホームの総額費用の「氷山の一角」に過ぎません。
土地の購入費用とは別に、建物を建てるために必要な「付帯工事費」や「諸費用」が想定外に高額になり、結果的に高額な買い物になってしまうケースが非常に多いからです。
この記事では、坪単価だけでは見えてこない、上下水、造成、地盤改良、外構工事など、土地選びの総額を左右する「4つの落とし穴」を徹底解説します。
1. 想定外の高額出費「地盤改良費」の落とし穴

最も高額になりやすく、事前に予測が難しいのが地盤改良費です。
土地の購入費には含まれていませんが、地盤が弱いと安全な家を建てられないため、必須の費用となります。
地盤調査の結果で運命が決まる
建物を建てる前には、必ず地盤調査(スウェーデン式サウンディング試験など)が行われます。
この結果、地盤が軟弱だと判断された場合、改良工事が必要となります。
⚠️ 費用相場の目安
地盤調査の結果、改良が必要となった場合の費用相場は、一般的に50万円〜300万円程度と幅広いです。
柱状改良(セメント系):100万円〜200万円程度
鋼管杭工法(深く杭を打つ):200万円〜300万円以上
💡 チェックのコツ
土地の周辺に田んぼや水路、沼地があった場所(旧河道や埋立地)は、地盤が弱い可能性が高いです。
土地のプロに「古い地形図や地歴図」を見てもらい、過去の土地の使われ方を確認しましょう。
2. 土地の形状が費用を変える「造成費」の落とし穴

一見安い土地でも、高低差があったり、古い建物が残っていたりすると、建物を建てるための準備費用(造成費)が膨らみます。
高低差のある土地(傾斜地)の造成費用
隣地との間に高低差がある土地や、斜面になっている土地(傾斜地)は、平坦にするための切土(きりど)・盛土(もりど)工事や、土留めのための擁壁(ようへき)工事が必要になります。
擁壁は、土砂崩れを防ぐための構造物であり、その設置には数百万円かかることもあります。
既存の擁壁がある場合は、その状態や安全性、建築基準法の基準を満たしているかを確認する必要があり、基準を満たしていない場合は作り直しで高額な費用が発生します。
地中埋設物(古い基礎やゴミ)の撤去費用

古い建物があった土地(古家付き土地)や、過去に工場などがあった土地では、解体されずに残された古い建物の基礎や井戸、ゴミが地中に埋まっていることがあります。これらを地中埋設物と呼びます。
🚨 注意!
地中埋設物は、地盤調査では発見が困難な場合が多く、家を建てるための掘削工事を始めて初めて見つかるケースがあります。
撤去には数十万円〜数百万円の追加費用が発生し、工事期間も遅れる原因となります。
3. 土地の価値を決める「インフラ引き込み費」の落とし穴

ライフラインの整備状況は土地の価格に大きく反映されますが、「整備済み」という言葉だけで安心せず、どこまでが整備されているかを確認しましょう。
上下水道の引き込み費用
土地のすぐ前の道路に本管が通っていても、敷地内に引き込まれていなければ引き込み工事が必要です。
本管からの引き込み: 道路から敷地内の建物の位置まで給水管・排水管を引く工事。道路の掘削が必要な場合、数十万円〜100万円以上かかることがあります。
下水道の受益者負担金: 新たに下水道を引く地域では、自治体に対し受益者負担金という名の費用を支払う必要がある場合があります。
都市ガスとプロパンガスの違い
都市ガスが通っていないエリアでは、プロパンガス(LPガス)を利用することになります。
プロパンガスは自由料金制で、ランニングコスト(月々のガス代)が高くなる傾向があります。
4. 見積もりから抜け落ちがちな「外構費」の落とし穴

外構(エクステリア)工事は、家本体の工事費には含まれず、別途予算計上する必要があります。
外構工事の例: 駐車場・カーポート、門扉、フェンス、玄関アプローチ、庭の植栽、土間コンクリートなど。
費用相場: シンプルなものでも100万円〜200万円、こだわりを持つと300万円以上になることも珍しくありません。
建物本体の予算でギリギリになってしまい、外構費を削って生活の利便性や防犯性が損なわれるという失敗は非常に多いです。
最初から総額予算に組み込んでおくことが鉄則です。
💡 まとめ:「土地+建物+付帯工事」の総額計算が鉄則
本当にその土地がお得かどうかを判断するためには、坪単価を見るだけでなく、以下の総額計算式を意識しましょう。
総額予算 = 土地購入費 + 建物本体費 + (地盤改良費 + 造成費 + インフラ費 + 外構費) + 諸費用
土地を検討する際は、必ず建築会社(ハウスメーカーや工務店)に同行してもらい、
土地の状況を見てもらった上で、「この土地に建てる場合の概算付帯工事費」を含めた見積もりを作成してもらいましょう。
これが、予算オーバーを防ぐための唯一にして最大の防御策となります。
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