社長ブログ

飯塚市で家を建てるなら窓が最重要|夏暑い・冬寒いを防ぐ方法

飯塚市で家を建てるなら窓が最重要|夏暑い・冬寒いを防ぐ方法

 

福岡県飯塚市をはじめとする筑豊エリアは、特有の「盆地気候」が特徴です。

 

夏は湿度が高く猛烈に暑く、冬は朝晩の冷え込みが厳しい。この過酷な環境で「エアコンに頼りすぎず快適な家」を作る鍵は、断熱材以上に「窓の設計」にあります。

 

家の熱の出入りの大部分を占める窓をどうコントロールするか、施主が知っておくべき基本を解説します。

 

 

飯塚の気候と「窓」の関係

 

省エネ地域区分で「6地域」に属する飯塚市ですが、盆地ゆえに夏冬の寒暖差は沿岸部よりも激しくなります。

 

この地で快適に暮らすためには、「冬に太陽を招き入れ、夏に太陽をシャットアウトする」という正反対の機能を窓に持たせなければなりません。

 

冬の「天然の暖房」を活用する(日射取得)

 

 

冬の飯塚は霧が発生しやすく、朝の冷え込みが鋭いですが、日中の日差しは貴重なエネルギー源です。

 

南側に大きな窓を配置し、太陽光を取り込むことで、エアコンなしでも室温を20℃以上に保つことが可能です。

 

これを「日射取得」と呼びます。無料で使える天然のストーブをいかに最大化するかが、冬の光熱費削減のポイントです。

 

 

夏の「熱気」を跳ね返す(日射遮蔽)

 

 

一方で、夏の飯塚の暑さは深刻です。

 

日差しが直接室内に入り込むと、窓辺は「巨大なヒーター」と化します。

 

どんなに高性能な断熱材を使っても、窓から入る熱(日射熱)を防げなければ冷房は効きません。

 

夏の太陽を窓の外で遮る「日射遮蔽(にっしゃしゃへい)」こそが、飯塚の家づくりにおける最優先事項です。

 

 

窓選びで失敗しないための「スペック」の見方

 

 

窓はどれも同じではありません。方位によって、ガラスの種類を使い分けるのがプロの設計です。

 

南側は「日射取得型」、東西北は「日射遮蔽型」

 

最近のペアガラス(複層ガラス)には、熱を通しにくいLow-E加工が施されていますが、これには2つのタイプがあります。

 

  • 日射取得型(断熱タイプ):南側の窓に採用します。冬の太陽熱を室内に取り込みつつ、室内の暖かさは逃がしません。

 

  • 日射遮蔽型(遮熱タイプ):東・西・北側の窓に採用します。夏の日差しを強力にカットします。特に、西日が厳しい飯塚の夏には、西側の窓を遮熱タイプにすることが不可欠です。

 

アルミサッシは「卒業」して樹脂サッシへ

 

 

飯塚の厳しい冬に「結露」を防ぐには、枠の材質も重要です。

 

アルミは非常に熱を伝えやすいため、室内が寒くなる原因になります。

 

「樹脂サッシ」または「アルミ樹脂複合サッシ(樹脂多め)」を選びましょう。

 

窓辺のヒヤッと感がなくなるだけで、体感温度は劇的に変わります。

 

 

太陽をコントロールする「外側の設計」

 

「窓本体」の性能と同じくらい重要なのが、窓の「外側」の工夫です。

 

「庇(ひさし)」と「軒(のき)」の黄金比

 

太陽は夏に高く、冬に低い位置を通ります。

 

この角度を利用して、「夏の日差しは遮り、冬の日差しは奥まで入れる」ように計算されたのが伝統的な庇の知恵です。

 

飯塚のような6地域では、窓の高さに対して適切な出幅の庇を設けることで、エアコン負荷を大幅に軽減できます。

 

 

「外側」で遮るのが鉄則:アウターシェードと簾

 

 

室内のカーテンやブラインドを閉めても、熱は一度窓ガラスを通過して室内に入ってしまいます。

 

最も効果的なのは、窓の外側で遮光することです。

 

最近はスタイリッシュな「アウターシェード」や、昔ながらの「簾(すだれ)」、あるいは「落葉樹」を植えることで、夏だけ日陰を作る手法が非常に有効です。

 

 

要点:カーテンは「光」を遮るもの、外側のシェードは「熱」を遮るものです。

 

 

飯塚での家づくり:窓設計チェックリスト

 

▢  南側の窓は、冬に日差しが入るよう十分に大きく確保されていますか?

▢  南側のガラスは「日射取得型」になっていますか?

▢  東側と西側の窓は、夏の熱侵入を防ぐために「必要最小限」のサイズですか?

▢  西側のガラスは、強力な「日射遮蔽型(遮熱)」を選んでいますか?

▢  南側の窓の上に、夏の日差しをカットする「庇」や「軒」がありますか?

▢  夏場に窓の外側にシェードや簾を取り付けられるフック等がありますか?

▢  サッシは結露を防げる「樹脂フレーム」以上のものですか?

よくある質問(FAQ)

 

Q. 飯塚は冬に雪が降ることもありますが、トリプルガラスは必要ですか?

 

A. 必須ではありませんが、予算に余裕があれば「リビングの大きな窓」だけでもトリプルガラスにすると、冬の快適性は格段に上がります。結露のリスクもほぼゼロになります。

 

 

Q. 窓を小さくすれば、断熱性能は上がるんですよね?

 

A. 数値上の断熱性能(UA値)は良くなりますが、南側の窓まで小さくしすぎると、冬の無料の暖房(太陽光)が入らなくなり、逆に光熱費が上がる「冬に寒い家」になってしまいます。南は大きく、他は小さくが基本です。

 

 

Q. 盆地の夏の湿気対策も窓でできますか?

 

A. 直接的な除湿はできませんが、日射遮蔽で室温の上昇を抑えることで、エアコンの除湿効率が良くなります。また、風の通り道を考えた窓配置(通風設計)も重要ですね。

 

 

まとめ

 

 

窓の設計を間違えると、どんなに高い断熱材を使っても「夏暑く、冬寒い家」になってしまいます。

 

特に飯塚のような盆地では、太陽との付き合い方が暮らしの質を左右します。

 

設計図を見る際は、単に「窓があるか」だけでなく、「その方位で太陽をどうしたいか」を意識してみてください。

 

南の太陽は「冬の味方」、西の太陽は「夏の敵」。この基本を抑えるだけで、あなたの家づくりは成功に大きく近づきます。

 

まずは担当者に「この窓の日射取得と遮蔽の計画はどうなっていますか?」と聞いてみてくださいね。

 

※本稿の指針は、飯塚市付近の6地域における標準的な設計手法に基づいています。周辺環境(隣家の影など)により最適な設計は異なります。

 

 

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